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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第2章 《其の壱》
 誠志郎はその後、一、二度、やはり思いついたように美空を訪ねてきたが、長居はすることなく、四半刻ほど表で立ち話をしただけですぐに帰ってゆく。そんな潔さからも誠志郎の誠実な人柄が偲ばれたものの、結局、美空はこの縁談(はなし)を丁重に辞退した。
 誠志郎は良い人だとは思うけれど、どう考えてみたところで、父の良き友人―もしくは、親戚の叔父さんに対するような気持ちは抱けても、異性、ましてや生涯を共にする伴侶としては見られそうにもなかったからだ。
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