この作品は18歳未満閲覧禁止です
激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第8章 【烏瓜~からすうり~】 《其の弐》
美空は訝しく思いながらも、良人の訪れにホッとしていた。このまま、この得体の知れぬ男といつまでも対峙しているのは正直、苦痛だった。戯れだけの恋なぞ、所詮は空しいだけ。恐らく俊昭と美空は恋そのものに対する、いや、人を愛することに対しての価値観そのものが根本的に異なるのだろう。
刹那的に生きようとする俊昭の考えには付いてゆけそうにもない。たとえ不器用でも良いから、真摯に生きてゆきたいと美空は思うのだ。