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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第2章 《其の壱》
 何か―はきとは表現できないけれど、何かが違う。自分の求める幸せは、きっと他にあるはずだということだけは判った。美空の両親がかつてそうであったように、もしくは、父が再婚しようとしていたおれんと父のように、心から愛され、また、我が身も愛することのできる相手、そんな男とこそ生涯を共にする覚悟もできるのではないか。
 それとも、心から愛し愛される相手と結ばれたいなぞと考えるのは所詮は世を知らぬ小娘のたわ言なのだろうか。
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