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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第9章 【烏瓜~からすうり~】 《其の参》
宥松院は知らない。孝俊は怒れば怒るほど、余計な感情をそぎ落とし、静かに冷静になってゆくのだ。
「それは―」
宥松院は、一段とにこやかに微笑む。
「やはり、側室ということになさるべきでございましょう。いいえ、最初から殿はそのようになさるべきだったのです。あのような下賤な女なぞ、側妾で十分。私は元々、あの女を側室ならともかく、正室として迎え入れることには反対でございました。殿、今からでもけして遅くはありませぬ。