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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第9章 【烏瓜~からすうり~】 《其の参》
孝俊は、美空の花のような笑顔を思い浮かべた。あの女が他人を悪く言うのを聞いたことがない。どんなに辛いことがあっても、いつも微笑んでいる、そんな女だった。いきなりこんなところに連れてきて、さぞ戸惑い、周囲からの冷たい視線に曝されているだろうに、孝俊の前では哀しそうな顔も愚痴も泣き言の一つも言わない。
花のように可憐な外見に似合わず、しっかりとした娘だった。どんな強風に吹かれても、けして倒れない花があるように、美空も逆境に陥っても挫けることがない。
花のように可憐な外見に似合わず、しっかりとした娘だった。どんな強風に吹かれても、けして倒れない花があるように、美空も逆境に陥っても挫けることがない。