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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第9章 【烏瓜~からすうり~】 《其の参》
現在でも彼女は夜も眠れぬ日が多い。はきとは憶えてはおらぬほど朧な夢なのに、夜毎、怖ろしき悪夢にうなされるのだ。
二度と表向きのことに拘わるなと告げたときの孝俊の眼を、宥松院は忘れない。人を見下したような冷徹な視線は、見る者を一瞬にして凍らせるほどの冷たさを含んでいた。
あのときの恐怖も口惜しさも、いまだに宥松院の心にまざまざと滲み込んでいる。あのとき感じた屈辱をまざまざと思い出し、宥松院は唇をきつく噛みしめた。
二度と表向きのことに拘わるなと告げたときの孝俊の眼を、宥松院は忘れない。人を見下したような冷徹な視線は、見る者を一瞬にして凍らせるほどの冷たさを含んでいた。
あのときの恐怖も口惜しさも、いまだに宥松院の心にまざまざと滲み込んでいる。あのとき感じた屈辱をまざまざと思い出し、宥松院は唇をきつく噛みしめた。