この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第9章 【烏瓜~からすうり~】 《其の参》
「さればこそ、宥松院さまは、まず殿にその件について言上する前に、お方さまのご意向をお訪ねになっておられるのでございます。やはり、幾らお家のためとはいえ、女にとっては大切なことゆえと、側室献上の儀は真っ先にご簾中さまのお気持ちを確かめた上で進めるようにとの真に細やかな母君さまとしてのお心配りにございます」
孝俊に側室を勧めるということは、結局、正室である美空の立場を脅かすことになるというのに、暗にありがたく思えといわんばかりの言いぐさだ。
孝俊に側室を勧めるということは、結局、正室である美空の立場を脅かすことになるというのに、暗にありがたく思えといわんばかりの言いぐさだ。