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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第10章 【烏瓜~からすうり~】《其の四》
 美空は泣き腫らした顔を俊昭に見られたくなくて、うつむいたまま言った。
「殿は表の方にいらっしゃいます。お逢いになられるのであれば、そちらにお行き下さりませ」
「いや、私は孝太郎どのに逢いにきたわけではない。あなたに逢いにきたのだ」
 美空は弾かれたように顔を上げた。
「もう止めて下さい。孝俊さまへの反発心だけで私をからかうのは止めて下さい」
 叫ぶように言って、ハッとした。
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