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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第10章 【烏瓜~からすうり~】《其の四》
 宥松院にしてみれば、美空が孝俊に側妾など持たぬように懇願しているのだと、またしてもあらぬ誤解を招くことにもなりかねない。
 涙がじんわりと出てくる。
「さりながら―」
 美空がなおも言いかけると、孝俊がプッと吹き出した。頑なだった表情をふっと和ませ、まなざしを庭から美空に移す。
「何を言われた?」
 え、と、思わず眼を見開くと、孝俊が更に口許を緩めた。
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