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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第10章 【烏瓜~からすうり~】《其の四》
「元気な子を生んでくれ」
 徳千代を身ごもったときと同じ言葉をくれる良人に、美空は恐る恐る訊ねる。
「殿はやはり若君をお望みにございますか」
 と、孝俊の顔に優しい笑みがひろがった。
「姫でも若でも良い、健やかであれば、それだけで十分だ」
「はい」
 美空は微笑んで頷く。
 ふと庭に視線を投げると、烏瓜が夕陽の色を受けてつややかに輝いていた。
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