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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第12章 【細氷~さいひょう~】《其の壱》 
 いや、切迫しているという言い方は少し適当ではないかもしれない。今の孝俊の顔は、まるですべての感情をどこかに置き忘れでもしてきたかのような、例えて言うならば、無を感じさせるものだった。
 余計な感情―歓びどころか苦しみや葛藤さえも窺えない、およそ生気に乏しい空虚感をその身体中に纏いつかせている。
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