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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第12章 【細氷~さいひょう~】《其の壱》 
 が―。人の幸せが果たして、身分や立場で決められるものなのかどうか。その日を過ごすことさえ覚束ないほどの貧しさであれば、心は荒み、笑顔どころではなくなるだろう。ある程度の暮らしのゆとりがあってこその心の豊かさではあるのは判る。しかし、分不相応の幸せは、けして真の幸せとはいえない。この頃、美空はそんなことをよく考えるようになった。
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