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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第12章 【細氷~さいひょう~】《其の壱》
孝俊は先代孝信の次男、脇腹の所生である。長男の高次は正室宥松院が生んだ子であり、早くに生母を喪った孝俊は宥松院に引き取られたが、継子苛めにあい、辛い幼少時代を過ごした。
「誰もが見向きもしなかった次男坊という立場が幸いしたわけだが、世継というのもなかなか難儀なものだな。亡くなられた兄上も周囲から大切にされすぎて、余計にお身体が弱くなられたというところもあったろう。兄上はよく気楽な立場の俺を羨ましがられていたが」
「誰もが見向きもしなかった次男坊という立場が幸いしたわけだが、世継というのもなかなか難儀なものだな。亡くなられた兄上も周囲から大切にされすぎて、余計にお身体が弱くなられたというところもあったろう。兄上はよく気楽な立場の俺を羨ましがられていたが」