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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第12章 【細氷~さいひょう~】《其の壱》 
 そういえばと、今更ながらに心当たりがあった。数日前に突如として美空の部屋を訪れた孝俊の様子、いつもにもまして心ここにあらずといった体だったこと。更に遡れば、ここふた月ばかりの間、孝俊が塞ぎ込んで、何事か考え事に耽っている姿をよく見かけた―。
―いつまでも変わらずにいてくれ、美空。そなたの父御の願うたように、永久(とこしえ)にあの空のように俺を見守っていてくれぬか。
 数日前、孝俊が美空に向けたあの科白は、孝俊の精一杯の気持ちだったのだ。
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