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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第12章 【細氷~さいひょう~】《其の壱》
「美空、いつぞやも申したではないか。知らなければ、学んで知れば良い。道を知らず迷うというのであれば、俺が道しるべとなろう、そなたが迷わぬよう、その手を引いて共に歩いてゆこう。美空、勇気を出してくれ。怖れるのは未知の環境ではなく、それを知る前にむやみに怖れる己れの心ではないか。そなたはけして愚かな女ではない。むしろ、利発で聡明な女子だ。己れがこれよりゆこうとする場所を知ろうする努力もせぬ者であれば不安もあろうが、そなたは、知ろうとする努力を惜しまぬ。ゆえに、俺は、さほどの不安も危惧も抱いてはおらぬぞ」