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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
 美空にしてみれば仕立物の内職で我が身一人くらいは暮らしてゆけると踏んでいたのだが、当てが外れた。太吉は江戸からやってくる。何とか仕立物の仕事を紹介して欲しいと頼んだところ、太吉はよく出入りしている呉服問屋〝浪速屋〟の主人誠志郎にそのことを話した。太吉の扱う品の中には、端布だとか、長く売れ残って、汚れたり色あせたりして売り物にならなくなった布などが紛れていることがあった。そういう品を、太吉は浪速屋から格安で仕入れていたのだ。
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