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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第3章 《其の弐》
薄蒼い空はどこまでもくっきりと冴え渡り、その寒走った色は既に晩秋というよりは初冬と呼んだ方がふさわしいように見える。それでも、今年は温かい日が続いたせいか、重なり合った葉の色はまだ十分に紅く、燃えるような色を滲ませた葉が夕陽に照り映え、眩しく眼を射るようであった。
風が吹く度に散り残った紅い葉がはらはらと舞い上がり、池の面に落ちる。晩秋の夕暮れ刻の風はゾクリとするような冷たさを孕んでいて、美空は思わず、身の傍を駆け抜けた風に身体を震わせた。
風が吹く度に散り残った紅い葉がはらはらと舞い上がり、池の面に落ちる。晩秋の夕暮れ刻の風はゾクリとするような冷たさを孕んでいて、美空は思わず、身の傍を駆け抜けた風に身体を震わせた。