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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
「これは?」
 改めて美空の顔を見つめ返す誠志郎に、美空は微笑む。
「あのお堂は弘法大師さまをお祀りしてあると聞いていますが、誰でも、好きなときにお詣りして中にも入れるようになっているんです。村外れの山の上のお寺から庵主さまが時折降りていらして、お守りなどを置いてゆかれるのですよ。欲しい人は、お供えを幾らか差し上げれば、お守りやお札を頂けるので、私、一つ頂いてきたんです」
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