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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
「私なら大丈夫、それよりも誠志郎さんこそ、引き止めてしまって、ごめんなさい。こんなに暗くなってしまって、道中が大変かもしれませんね」
 それでも、泊まってゆけばと言えない我が身が恨めしかった。むろん、たとえ泊まったからといっても、誠志郎が美空に対して無体なふるまいをするとは思えない。だが、そのときの美空には、まだ誠志郎に泊まっていってと言うだけの勇気はなかった―。
 後々、そのことをも美空は何度も後悔することになるのだ。
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