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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
殊に、村も外れにポツンと建つ一軒家―美空の住まいは完全に孤立してしまう。雪に降り込められる間、美空はただひたすら屋内で仕立物に精を出して過ごした。女一人の暮らしでは他にさしてすることもなく、時間は持て余すほどあった。一人で荒れ狂う雪の音に耳を傾けながら針を動かしていると、この世に自分がたった一人取り残されてしまったのではないか―、そんな錯覚に囚われる。
このなだらかな丘の上に建つ家が、あたかもこの世の果てにあるように思え、ひしひしと孤独感、寂寥感が身に迫るのだった。
このなだらかな丘の上に建つ家が、あたかもこの世の果てにあるように思え、ひしひしと孤独感、寂寥感が身に迫るのだった。