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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
むろん、尾張藩にもそういった組織は存在するはずだ。美空は孝俊から隠密について聞かされたことはなかったけれど、仮にも御三家筆頭ともなれば、かなりの規模の隠密部隊、しかも精鋭揃いの組織を内包していたはずである。
その隠密の手にかかれば、美空がたとえどのように巧妙に姿を隠したつもりでも、見つけ出すのは容易いことだ。誠志郎の存在もまた、そういった忍びの手の者によって明るみになり、孝俊に報告されたのだろう。