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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
 まだ好いた惚れたとか、烈しい恋情には程遠いけれど、美空は誠志郎を男としてはっきり意識し、その上でほのかな好意を寄せている。それは、確かにある意味でいえば、良人たる孝俊への大きな裏切りかもしれない。
 まさに、誠志郎への想いを改めて、しかと意識した瞬間だった。その想いを自覚しただけに、逆に美空は何も言えなくなってしまった。生来、嘘はつけない性分なのだ。
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