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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第14章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の参》
閨に侍る際、美空は長い髪を下ろし、横で一つに束ねている。烈しく抗ったため、その髪が乱れていた。孝俊は美空の乱れた髪をそっと直し、指でひと房掬う。掬い取った美空の髪に唇を押し当てた。
「美空、愛している」
美空の黒髪に押し当てられた孝俊の唇から、吐息のようなかすかな呟きが洩れた。
口を塞がれた美空は、苦悶の表情を浮かべている。思う存分呼吸をしたくて首を振っても、孝俊の手は離れようとはしない。