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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第14章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の参》
 智島が立ち上がり、行灯に火を入れる。
 二月半ばは、まだ陽が落ちるのも早かった。
 そろそろ夕闇が立ち込め始めた室内に、庭の梅の樹が影を落としている。
「智島、その本をこちらへ」
 何の気なしに言った美空だったが、智島はすぐに本を差し出した。
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