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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第14章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の参》

「万葉集にございますね。殿おん自らお書き写しになられたものにございますか?」
「ああ、もう十五年ほど前になるかな。そなたの養父(ちち)とおなり下された関白近衛房道どのがまだ摂政であられた頃、近衛家秘蔵の蔵書を拝見したことがある。房道どのが丁度、京より江戸に下向され、この上屋敷にご滞在していたことがあった。近衛家は、〝源氏物語〟に始まってや〝日本書紀〟、〝古事記〟など、実に多岐に渡る様々な分野の蔵書をお持ちなのだ。
「ああ、もう十五年ほど前になるかな。そなたの養父(ちち)とおなり下された関白近衛房道どのがまだ摂政であられた頃、近衛家秘蔵の蔵書を拝見したことがある。房道どのが丁度、京より江戸に下向され、この上屋敷にご滞在していたことがあった。近衛家は、〝源氏物語〟に始まってや〝日本書紀〟、〝古事記〟など、実に多岐に渡る様々な分野の蔵書をお持ちなのだ。

