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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第14章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の参》

「最初は流石に房道どのも渋っておられた。万葉集にしろ、日本書紀にしろ、それらは皆、普段は近衛家の蔵に大切に保管している、いわば家宝に等しきものだ。貸して欲しいと頼まれ、〝はい、そうですか〟と容易く貸し出せるような代物ではない」
孝俊は何かを思い出すような眼で語る。
「房道どのは摂関家の当主にしては、大変ざっくばらんな、気さくなお方だ。初めてお逢いするまでは、摂関家の人間などは皆、義母上のように権高で己が生まれを鼻にかけておるような連中ばかりだと思うていたが」
孝俊は何かを思い出すような眼で語る。
「房道どのは摂関家の当主にしては、大変ざっくばらんな、気さくなお方だ。初めてお逢いするまでは、摂関家の人間などは皆、義母上のように権高で己が生まれを鼻にかけておるような連中ばかりだと思うていたが」

