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せめて夢の中だけでも
第13章 本当の関係
「どうして、秋雨は名前を教えないの?」




「あぁ…秋雨は自分の名前、嫌いだからね。」




「素敵な名前…なのに。」



仁さんは柔らかな笑顔で私たちの
正面に座った。


「麗華は…秋雨って呼んただろ?

なんでか知りたい?」



「えっ…」




私の隣で沙織ちゃんが、興味津々に頷く。
その姿を見てまた、仁さんはクスッと笑った。









「麗華はね…俺の妹なんだ。」







「えっ!?」





「血は繋がってないよ。親同士の再婚でね。」




「10年前から、俺と秋は知り合いだった。
一番秋がやんちゃな頃だったな。

秋は昔からモテてた。
だから、女の家を転々としてるような
ガキだったよ…」




「麗華が18歳の時に…俺がここを起業して
秋も顔が良いってだけで誘った。

その時に2人は出会ったんだ。

秋のことだからすぐ手を出すかなーなんて思ってたんだけど…


秋、麗華にだけは興味しめさなくて
それでも麗華は秋にすごく懐いてた。」




私の知らない秋雨…

私の知らない過去たち…
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