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せめて夢の中だけでも
第29章 宣戦布告
そのあと私たちはレストランを出て
秋雨の家へと向かっていた。


しかし…こんな時でと
無情に秋雨の携帯電話が鳴った。





「何?」



秋雨は私の隣で誰かと話している。




「12時って約束したでしょ?

……わかったよ。」



電話を切ると私へと目線を移した。



「ごめん。凛ちゃん。
今から…行かないと…。」




「えっ…」



「どうしてもって…ゴメン」





隼人は何か言いたげだったが…何も言わない。




「店長からの呼び出しだから…」




…店長…




「朱里…さん」




小さく呟いた声は
秋雨に呆気なく拾われてしまった。


彼の目が驚きに満ちて…
瞬間に苦しそうに眉間に皺を寄せた。
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