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せめて夢の中だけでも
第38章 知らないあなたも私は知りたい。
「お前…何?そっちに興味あったわけ?」
隼人が引きつった顔で秋雨に聞く。
「まさか…。」
クスッと笑うとまた、壱君の頭に掌を乗せた。
「壱はね、ゲイらしいんだけどね。」
「…秋さん、うるさいっすよ。」
「じゃぁなんで、一緒にこうやって歩いてんだよ?この前も一緒にいただろ?」
「…別に、花子が男が好きでも、偏見はないからね。
歩くのに意味がある?」
私はホッと胸を撫で下ろした。
秋雨は優しい人だ。
それが…壱君にとっては優しい人ではないのかも知れないけれど。
「…気持ちには答えてあげられないけど、避ける理由はないでしょ。」
「…また、さらっとフルよね。」
これで、あの壱君の秋雨へのなつきようも…
私に秋雨の仕事の事を聞いてきたのも納得が出来る。
花子ちゃんは秋雨が好きだったんだ。