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11月の雨
第4章 亜矢華
眠る街区

冷気につつまれ

閉ざされたシャッター
点滅しつつ 立ち枯れた信号機

乗用車のヘッドライトが
霧のような水滴を照らす

タイヤが雨水を轢きはじく音


わたしの行く手に
乗用車が停まった

開く窓
覗かせた顔

それは もうひとりのわたしだった


「風邪ひきますよ」

鏡をみているのだろうか 
そんな感慨を抱いた

これはわたしの過去なのか
それとも 未来を生きているのか

「乗っていく?」

そう訊かれたとき

幻がみえた。

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