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旦那様☆ロマンチスト
第7章 妄想する奥様
「…電話、出なくていいの?」
「…ああ。」
余りにしつこいその電話に、もしかしたら至急の用件なのかもしれないんじゃないかな、と不安になって。
「…出た方が良いんじゃない?」
敏さんは私に済まなそうな視線をよこすと、道路の左端に停車させた。
ハザードのカチカチという音が静かな車内に響いていた。公園までの道のりの半分ぐらいまで走ってきただろうか。小高い場所にある公園は、緩やかな山道を登ったところにあった。その山道に差し掛かる手前の人家がまばらな寂しい場所。