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第9章 太基、お披露目をする

奈緒姫ははりきってケーキを焼いていた。
紅茶のシフォンとミルクレープだ。

ソファにはカズ兄とサワ兄がいる。
いつもどおりに振る舞っているけど、ちょっとお洒落しているのはなぜなんだ。
いや、気持ちはわかるけど。

しかも、アヤ兄までちゃっかり来てるし。

「ごめんね、周くんは模試だって。歌子さんは新婚早々休日出勤だし」

申し訳なさそうなアヤ兄に、俺は手を振った。

「べ、別にいいよ。そこまでしなくても」

こほん、と咳払いをして、まどかちゃんを紹介する。