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第15章 唯、女装する

澤村くんと会うたびに思う。
私はやっぱり和樹が好きだ。
デート中、ふとしたことで和樹だったらこうするだろうな、って考えている。

澤村くんにも失礼だし、もう止めなきゃ。

それなのになんでまたデートをしているかと言うと、澤村くんは私をしっかり女の子扱いしてくれるからだった。

私だってもう二十代半ば。
結婚している友人もいるというのに、色恋沙汰には全く縁がない。

焦りもある。
似合ってない女装を誉められて、舞い上がる気持ちもある。