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第21章 奈緒姫、コーラをもらう

「だから、高倉はあんたにあげる」

ぶっきらぼうな言い方だけど、それが彼女の精一杯なんだな、と思った。

「わかりました。でも、次好きな人にまた彼女がいても、嫌がらせなんてしちゃダメですよ」

ぼーっとしている私だって、それなりに辛かったんだから。

「余計なお世話」

三村さんは鼻を鳴らした。

私は少しだけ笑った。

彼女のことを完全に許せるかと言われたら、まだわからない。
でも、わざわざこうやって話しをしに来てくれた気持ちは受け止めてあげたかった。

ところが。

私が三村さんからもらったコーラのプルトップに手をかけた途端、盛大に中身が噴き出した。
それは私の顔面に綺麗に命中する。