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アナザー☆ステップ
第4章 和樹、打ち上げに行く
唯が泣くことなんてほとんどない。
そんなに痛かったのか?
「私も難儀な相手を好きになったなぁと思って」
唯が腕を組んで伸びをする。
その細い手のひらの向こうに月が見えた。
「まぁな、男にしか見えないおまえをそのまま好きって言ってくれる相手は大事にした方がいいぞ」
「そっちの話じゃないし」
「あぁ?」
デートしたっていう男の話じゃないのかよ。
「わかんないならいーよーだ」
唯はぺろっと舌を出して店内に戻っていった。