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第5章 花梨、彼氏と別れる

繋がった。
これでまた会える。

男は軽く微笑んだ。
初めて見る笑顔に、私の心臓は飛び上がった。

なんだよ、こいつ。
やっぱりカッコいいんじゃん。

男はドアから出ていく。
あたしのこと拒否ったくせに、番号だけ教えるなんて変なヤツ。

でも、家まで来て体を求めてこない男なんて、今まであたしのまわりにはいなかった。

あたしはケータイを握ったまま廊下にへたりこむ。
心臓がばくばくしていた。

名前を聞いてなかったことに気づいたのは、しばらく経ってからだった。