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顧みすれば~真の愛~
第10章 急接近
「そうだ 佐々木さん

 これに見覚えない?」


そういって常務がジャケットのポケットから
何かを取り出した。


シャラシャラと手のひらにのせたのは

あのプラスチックの飾りのついたネックレス...


あ...


「なんですか それ?」


わざと眉をしかめてネックレスを凝視した。


「ん?落とし物なんだけど

 落とし主が分からなくて」


「それは子供の落とし物じゃないですか?

 公園で拾ったんですか?」


本当に分からないふりをした。


「ん?シンデレラの落とし物さ」


常務が愛しそうに手のひらに包んで

優しく微笑んだ。


うそっ その顔反則です


「常務 そんな顔で微笑んだら

 私のって言ってしまいそうです」


冗談めかして言ってみる。


常務は射ぬくような目で私を見つめ


「そう言って欲しいんだけど」


と色気を帯びた声で囁いた。


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