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顧みすれば~真の愛~
第12章 アラブの王子
成田の出発ロビー
「どういうことですか?」
私の不機嫌な声が静かに響く
「悪いな。公共事業の説明会が入ってしまって
俺がアラブに飛べるのは来週になってしまった」
木下課長が悪びれることもなく言う。
「課長、私は仕事が嫌で駄々をこねているわけじゃないんです。
アラブはイスラム色の強い国。
女性の社会進出が増えているとはいえ、
まだまだ女性が表立って仕事をすることに良しとしない人も多いと聞きます。
私が調整役をすることでこのプロジェクト自体が危ぶむ可能性もあるかもしれないことを心配してるんです」
事前に調べたアラブの情勢。
私はこの出張に不安を感じていた。
「大丈夫だ。
プレゼンはあくまでも山下商事が仕切ってくれるし、現地の調整はゼネコンの仕事。
うちはうちの機械の説明をするだけだから設計の石田くんと技術部の戸田くんに任せればいい。
佐々木はあくまでも通訳。
それ以上の仕事をする必要もさせられることもないだろう。
安心しろ」
釈然としない私の肩を叩く
「わかりました。
早めのご到着をお待ちしてます」
「わかった。
石田くん、戸田くんよろしく頼む」
課長は二人に私を託しゲートへ促した。
「どういうことですか?」
私の不機嫌な声が静かに響く
「悪いな。公共事業の説明会が入ってしまって
俺がアラブに飛べるのは来週になってしまった」
木下課長が悪びれることもなく言う。
「課長、私は仕事が嫌で駄々をこねているわけじゃないんです。
アラブはイスラム色の強い国。
女性の社会進出が増えているとはいえ、
まだまだ女性が表立って仕事をすることに良しとしない人も多いと聞きます。
私が調整役をすることでこのプロジェクト自体が危ぶむ可能性もあるかもしれないことを心配してるんです」
事前に調べたアラブの情勢。
私はこの出張に不安を感じていた。
「大丈夫だ。
プレゼンはあくまでも山下商事が仕切ってくれるし、現地の調整はゼネコンの仕事。
うちはうちの機械の説明をするだけだから設計の石田くんと技術部の戸田くんに任せればいい。
佐々木はあくまでも通訳。
それ以上の仕事をする必要もさせられることもないだろう。
安心しろ」
釈然としない私の肩を叩く
「わかりました。
早めのご到着をお待ちしてます」
「わかった。
石田くん、戸田くんよろしく頼む」
課長は二人に私を託しゲートへ促した。