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顧みすれば~真の愛~
第13章 砂漠の檻
「どうやら日本人は王に対する礼儀を知らんようだ」

バドル王子は壁にかけてあった鞭を取り出した。


ビシッ


胸に痛烈な痛みが走った。

「ううっ」

「命乞いをしろ
 やめてくださいと懇願するのだ」

バドル王子は小動物を痛め付けるように
鞭を振りながら興奮している

目が猟奇的な光を帯びはじめた


そして今度は持っていたナイフで

服を切り裂きはじめた


ナイフの先端が肌に当たり
無数の傷を付ける


「美しい 血の滲む女は とても美しい」


恍惚とした表情になっていく


ボロボロに切り刻まれた服が
わずかな肌を隠している

今度はわずかな布をはぎ落とすように
鞭が飛んでくる

「ううっ ぐうっ うぐっ」

痛みを耐える声が喉の奥から絞り出される


その声に興奮したバドル王子は
棘のついた鞭に代えて
ますます狂ったように渾身の力で鞭を振りおろす


ポタポタと床に血が落ちる



あまりの痛みに気を失った。

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