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顧みすれば~真の愛~
第17章 救出
私は車のなかで彼女を抱き抱えながら
神に祈った。
この先どんな罰を受けようとも
彼女を救って欲しいと。
腕の中の彼女は表情もなく
小さく息をしているだけだった。
東の邸から都までは距離がある。
イライラしながらまっすぐに延びる
砂漠の道を睨んでいた。
すると漆黒の闇のなかに一機のヘリが現れた。
我々の行く手を阻むように降り立つ。
身構えて彼女を抱く腕にも力が入る。
ヘリから数人の男が降りてきた。
道を塞がれ停まった車の前に現れたのは
直哉だった。
「ロイド、早く乗れ!
医師を連れてきた」
私は彼女を抱き抱えてヘリに乗り移った
直哉は赤く染まったシーツに顔を強張らせていた。
医師の処置のためにシーツを剥がされた
彼女の全身には無数の切り傷や刺し傷
鞭で打たれ割れた皮膚
とても直視できるものではなかった。
直哉はギリギリと奥歯を噛みしめ
黙って涙を流していた。
ヘリから連絡を受けた王宮の病院では
ICUの受け入れ体制が整っていた。
ヘリが到着すると待ち受けていた医師たちが彼女を処置室へ運んでいった。
神に祈った。
この先どんな罰を受けようとも
彼女を救って欲しいと。
腕の中の彼女は表情もなく
小さく息をしているだけだった。
東の邸から都までは距離がある。
イライラしながらまっすぐに延びる
砂漠の道を睨んでいた。
すると漆黒の闇のなかに一機のヘリが現れた。
我々の行く手を阻むように降り立つ。
身構えて彼女を抱く腕にも力が入る。
ヘリから数人の男が降りてきた。
道を塞がれ停まった車の前に現れたのは
直哉だった。
「ロイド、早く乗れ!
医師を連れてきた」
私は彼女を抱き抱えてヘリに乗り移った
直哉は赤く染まったシーツに顔を強張らせていた。
医師の処置のためにシーツを剥がされた
彼女の全身には無数の切り傷や刺し傷
鞭で打たれ割れた皮膚
とても直視できるものではなかった。
直哉はギリギリと奥歯を噛みしめ
黙って涙を流していた。
ヘリから連絡を受けた王宮の病院では
ICUの受け入れ体制が整っていた。
ヘリが到着すると待ち受けていた医師たちが彼女を処置室へ運んでいった。