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第2章 会社員　佐々木亜美

身を乗り出して運転手さんに聞いてみる


「やっぱり、かなり怒らせちゃったかな？」


運転手はニヤニヤしながら答える


「それがさ
　あんたがいなくなったあと
　しばらく呆然としてたんだけど
　突然大笑いしはじめてさ。

　面白い女にあったって上機嫌だったよ。
　あんた、気に入られたかも知れないよ。」


「うそ‥。」


「あのあと遊びにいくかと思いきや
　まっすぐ家に向かったしなぁ。」


「運転手さん、この話は絶対秘密にしてね。
　私が夜の仕事してるなんてバレたら
　会社クビになっちゃうから。」


「もちろん、守秘義務は心得てるさ。」


‥‥‥。守秘義務が聞いて呆れる。
ほんと、どこで誰に見られてるかなんてわからない。まさか昨日の運転手に今日も会うなんてそんな偶然滅多にない。

そんな話をしているうちに課長が鈴木部長を連れだって戻ってきた。

心なしか二人は少し興奮ぎみに見える。