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顧みすれば~真の愛~
第28章 恋人の時間
「どうした?」
ロイド王子が私の顔を覗きこむ
私はロイド王子と繋いだ手をゆっくり離した
「ごめんなさい
私はロイド王子のそばにはいられません」
ロイド王子は一瞬目を見開き
そして悲しげに笑った。
「そうか」
ロイド王子はそう呟いて
川辺の手摺に腕をかけ
川面に視線を投げた。
川からの冷たい風が二人の間をすり抜ける
ロイド王子が振り向き
私を見つめる
「私は急いでいない。
君の心が癒えるまで
ゆっくりと待つつもりだ。
それでも?」