この作品は18歳未満閲覧禁止です
顧みすれば~真の愛~
第34章 旅立ち
扉が閉まる瞬間
直哉さんが飛び込んできた。
「紗英、行かないでくれ」
私は無言でロビー階を押す
二人を乗せたエレベーターは
静かに降下し始めた。
「紗英、身勝手なのは十分わかっている。
紗英の人生をめちゃめちゃにしたのも俺だ。
紗英が俺を受け入れられないのも
わかっている。
だけど、だけど
傍にいてくれないか。
俺には紗英が必要なんだ
紗英でなければダメなんだ。
一生をかけて償う。
一生をかけて紗英を大切にするから
頼む、行かないでくれ」