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第41章 山下紗英になること

翌日朝食をとると早速おばさまと車に乗り込んだ。

都内のウエディングショップを数件回り

日本橋の呉服店で白無垢の針うち。

ウエディングドレスはサントリーニで着たものを使いたかったので色ドレスを二点選んだ。

招待客は2000人を越えるそうで披露宴の時間は四時間以上...

お色直しは５回はしないと間が持たないとおばさまから教えられた。

すでに招待客への招待状は発送されており、あとは私と直哉さんの個人的な友人へ発送するのみとなっていた。

引出物もほぼおばさまが用意してくれていて
他に入れたいものはないかと聞かれたのでスペインの美味しいシェリー酒を小瓶に詰めて空輸してもらうように直哉さんに手配を頼んだ。



母は打ち掛けを一振り用意してくれた。


卯月の奥座敷に用意されていたそれは


百合の話では


母がアラブに旅立つ前に仕立てたという


母の千里眼には恐れ入る。



翌週帰国した直哉さんとホテルで打合せをして


その週末は百合と奈々の披露宴に出席


さらに翌週は自分達の披露宴。


さすがに2000人を越す山下財閥の披露宴はとても盛大なもので改めて

山下紗英

の重圧を感じた。



百合と奈々の披露宴だけのつもりの帰国は

とんでもなく忙しかった。