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第42章 新しい家族

子供が生まれてなるべく自分の手で育てたいと

頑張って育児をはじめようとした私に


母は


「子供はひとりで育てたらいけない


　親にも子供にもよくない



　それに山下家は財閥なんだから


　親子にも一定の距離感が必要なの」


といって


ベビーシッターやお手伝いさんを


勧めてくれた。



確かに山下家の夫人としてやることは山ほどあった。

お茶会や歌会をはじめとする社交場や

ボランティア活動への賛助。

社会貢献活動への参加など普通の主婦ではあまりない仕事がたくさんあってなかなか育児に専念することも難しいのが現実だった。


私は母の差し伸べてくれた手をありがたく受けた。


おかげで私は社交と育児をなんとか両立させることができた。


外での活動があることで子供に集中しすぎることもなくゆったりと子育てができたことはとても感謝している。