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片想いの行方 2
第3章 ☆蓮愛相談室
夜11時。
「やべー思ったより時間かかっちまった」
会社を出て、駅までの道を急ぐ。
美和に今から電車に乗ることをメールしながら
俺は、なんだか無性に焦る自分に戸惑っていた。
リーダーからあんな話を聞いたから
帰り際目に入った男の社員が、全員敵に感じてしまって
どれだけ美和を好きかが、思い知らされる。
「…………!」
ふと、車道の反対側にあるオフィス街に目を向けた。
そのビル群の中でひと際高く聳え立ち、存在感を放つ
あの男のいる、本社ビル。
………なんだ?
今日に限って、やけに威圧を感じるのは………
「……ま、まさか……!」
普段からカンのイイ俺。
そんなわけねぇのに、心臓がドクンと跳ねる。
歩きながら、急いでポケットから携帯を取り出した。