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片想いの行方 2
第2章 ☆立場逆転
「あ~やっとここまできたな。
姫宮、これだけ先にデータにしておいてくれる?」
「了解です」
2月上旬。
金曜日の夜7時。
今日は1日社内でデスクワークとなり、俺はチームのリーダーと一緒にデータ分析を行っていた。
……はぁ……
この分だとまだまだかかるな。
明日の夜はBARのライブだし、今日中に終わらせねぇと。
飲みに行きたい気持ちを抑えて、リーダーから受け取ったUSBをパソコンに繋げる。
「来週末の出張までに仕上げないとな。
姫宮は初の買い付け同行だっけ」
「はい。しかもミラノ。
スゲー楽しみです」
「そっかー。
お前まだ入社して2ヶ月ちょっとなのに、全然そんな気がしないよ」
俺より10コ年上のリーダーは、そう言いながら笑う。
まぁね。
自分でもそう思うよ。
美和を追いかけてきたという不純な動機からだとは思えないくらい、俺は順調にこの仕事をこなしている。
やっぱり天才なんだな~俺。