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暁闇
第9章  その予感は


数日後。

丈から、告白が成功したと連絡があった。
相手の子もどうやらずっと彼のことが好きだったらしく、両思いだったふたりは晴れて恋人同士になったというわけだ。

付き合い始めたふたりは、たいていの恋人同士がそうするように、時間が合うときはいつも一緒に過ごしているらしい。
といってもクラスも違うし、学校で会える時間は、登下校と昼休み、それから部活の間だけらしく。
その部活も一応、部内恋愛禁止となっているとかで、あまりあからさまに仲良くはできないんだと先日愚痴をこぼしていた。

他にも、彼女がこんなことをした、彼女にこう言われた、彼女が可愛い――――丈は、やたら俺に報告してくる。
それは直接だったり、LINEでつらつらと書いてきたり、様々だったけれど。
俺もそれなりに忙しくしているため、そう頻繁に相手はできない。
それでもいいと言いながら、そうし続ける丈。
まあ、のろけたくなる気持ちは分かるから、適当に相手をしている。
彼の言葉を借りれば
『友達にあまりのろけると、うざがられる』のだそうた。
『でもオトナな翔悟さんなら、のろけてもさらっと流してくれそう』らしい。
確かに、可愛い弟のような存在の丈が幸せそうな様子は、聞いていて嫌ではない。


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