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暁闇
第13章 混乱
……どうして翔悟くんはこんなに優しいんだろう。
思わず俯く私に、彼は。
「あおいさん?」
私の名を呼び、顔を上げた私に視線を寄越して。
その口元に微かに笑みを浮かべた。
「……ごめんね。
私、ちゃんと考えるから」
その言葉に、繋がれた手に少し力がこもったのが分かる。
感じる、翔悟くんのぬくもり。
伝わってくるのは、彼の想い。
きらきらとした、イルミネーションの光は。
今の私には、なんだか眩しすぎて。
私は、彼に気付かれないよう小さく息を吐き。
縋るように少しだけ、繋がれた手に力を込める。
『大丈夫――――』
……翔悟くんの声が、聞こえた気がした。