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暁闇
第18章 繋いだ手
心が、しん――――と凪いでいる。
けれど感じる。
私の中の何かが、確かに変わりつつあることを。
そう……翔悟くんのおかげで。
好きだと何度も想いを言葉にしてくれた。
私は自分があまり好きではなかったけど、そんなふうに翔悟くんから想われている私のことを、少し。
……そう、もう少し優しく見られる気がした。
私にとってとても大きな変化。
その、気づき。
あれからずっと、自分の殻に閉じこもるようにして生きてきた私にとって、そこから出るということは、とても勇気がいることだった。
だって、その中にいれば。
もう誰を傷つけることも。
誰かに傷つけられることも、ないから。
そしてその中で、誰かを秘かに想った。
想いを口にはしないから――――そう、自分を納得させて。
叶わない相手を想っては、ただ、沸き上がる様々な感情を味わって満足するだけ。
……もう、それでいいと思っていた。
けれど――――。